大澤研での視座

※サムネイルの写真と本文は、全く関係ありません。

東京大学大学院、大澤先生にお褒めの言葉をいただいたというお噺をしたが、データ解析まわりで已己巳己が太刀打ちできるような研究室ではない。なのに「知性がある」とご指摘いただけたのは、一重に「データの視座」でしかないと思う。

データサイエンスは、数学だ。ど文系、それも表現芸術系を専修していた已己巳己が、AIベンチャーの執行役員に呼ばれたのも、大澤研に受けたのも、解析手法そのものではない。というか、その辺は正直よくわからないことも多い。

しかし、データは、実際に生じた何かのフットプリントにすぎない。なので、データをデータとして扱うことは少ない。これは、「データや人工知能の世界となったらオワリダ…。」と悩まれている全ての人が理解しておいたほうが良い。

データtoデータの世界は、人工知能に置き換わる。その最たるものは、工場などで前工程と後工程をつなぐロボット系AIである。この世界は今後さらに省人化が進む。間に、人間を介在させないで、データのみでコミュニケーションを図ったほうが早いし、ロスも無い。

ただ、データが産まれるところや、データを利用するところに人間が絡む場合、データはダイレクトに認知できないので、なんらかの情報にtranslateすることになる。言語も文化も違う人間だ、その解釈には幅が出る。そういった世界では、データがデータだけで完結することは未来永劫、無い。

大澤研の例をいくつか出そう。

大澤研が取り組む、nigiwai学。まちの賑わいをデータ観点から研究している。

人流データを活用しているが、来訪者を「県内市町村」「県外」で振り分けていくと、「観光系エリア」とは別に「地場住民に受け入れられている地域DNAとなるエリア」が浮かんでくるという。これを已己巳己が聞くと、「それらは訪問してくるゲスト側だが、それらを受け入れるホスト側も県内地元民か県外業者かによって賑わいとなるか騒音となるか」がありそうに思うので、そちらもデータ化してみると良いのではというのがとても受けた。

対象となるエリアをフィールドワークしながら、ポジティブ・ネガティブなポイントでアプリにそれらを位置と共に書き込んでいく実証の時、たまたま被験者が徒歩、自転車、車など多岐に及んでいたのを見ていたので、ふと気づいたことがあり、解析時に「移動手段別」の項目をソートしてもらった。すると「移動速度が遅いほど、観光資源に対する目線が下がる」という傾向がはっきりと出た。これは実証の目的とはずれていたので論文などにはならなかったが、各自治体から高い評価をいただくことが多かった。

大澤研とつながりの深い、三重大学の近藤研が「Regional DNA」という取組をしていたので、ウフルと大澤研なので、もっと理系でデータドリブンなものを研究テーマとしたほうが自治体系研究が進むのではないかということになった。個人的に、様々な自治体を回っていて「市町村単位はでかすぎる、◯◯町と言っても、商業エリアや山間部、海岸沿い、川沿い、農村エリアなど様々なエリアがあり、そのエリアごとに特徴も課題も違う」と感じていたので、大澤研とのテーマとして「Regional DNAを構成するRegional Genome」を解析する」というアイデアを出した。実際、「海とパンダと温泉」の3つで観光を進めてきた和歌山県白浜町は、21のGenomeに分かれることがわかった。観光資源が7倍に広がったのだ。これは、地場の観光協会のオジサマがたにも共感いただき、新しい観光ビジョンの策定にも役立ったようだ。

こういった、データ活用の視座が求められている。しかし、具体的にこういった役割の呼称すら無いほど、これらの視座を持つ人材は少ない。データとその周辺を捉え、データ活用のシナリオを書き、決定木(Decision Tree)を作る、いわばData Directorのような存在がこの先求められるのだろうと思うし、数学ど真ん中のData ScientistやAnalystはこの辺が全く持って弱い。

ど文系でも、Data界隈に役立てる領域があるんだよ、というお噺。

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